¥30,000(税別)
カテゴリー: 葛城裂
葛城裂を選んだのは裂が訴えかける「力」を持っていて、存在感があり、裂に惚れ込んだからです。明時代(1368~1661)に織成され、舶載された裂と思いますが、日本人好みであったと考えます。日本人は小柄を好んだようです。中国から舶載された染織品は茶の湯で大切に遺されて、数点ですが茶入れの袋に使用されています。裂帳にも貼付されています。柄は金箔紙で前後左右亀甲柄の連続模様となっていますが、中に入っている亀甲柄は紺糸となっています。亀甲柄から華甲を連想し、還暦と繋がったことで、この裂を選んだのは良い記念になりました。
復原に際し参考にした裂は、南三井家(鈴木時代裂研究所蔵)の裂帳に貼付されている直径33ミリ程の円形の裂です。拡大してみますと紺色が主張してきます。織れ上がると上品で気品のある裂でした。数百年も前にこの裂の原反を見て、求めた人の気持ちは如何様であったかと思うと楽しくなります。手にした方もそのような気持ちを味わって頂けましたら幸甚です。
「名物裂事典」(鈴木一著)によりますと、名称の由来は葛城太夫愛用の裂と伝承されるが確たる資料はない、河内葛城山中の寺にあったという俗説もある。文献には純子又金襴としているものもある。古文献の古今名物類聚、古裂写、名物裂模本に記載があります。
¥80,000(税別)